研究主題

自己をみつめ、学ぶ喜びを実感する授業づくり
－「分かる・できる」「自分・仲間」「手応え・楽しさ」がつながり深まる学びを通して－

目指す生徒の姿

【学】見通しをもって自ら学ぶ生徒
【挑】自信をもって笑顔で挑戦する生徒
【結】仲間や地域と絆を結ぶ生徒

研究の仮説

本校生徒の課題として、学習に向かう意欲や計画性の向上、高い壁への挑戦、自尊感情、学び合
いによる自己の学びの改善が挙げられる。そのため、今年度の最重要課題を【結】とする。課題解
決に向けた取組の方向性は、生徒指導の実践上の視点を生かした【自己指導能力の育成】である。
問題解決的な学習過程を基本とし、「分かる・できる」「自分・仲間」「手応え・楽しさ」がつなが
る学びを行うことにより、それぞれの過程で資質・能力が育成され、学び合いや振り返りによって
獲得した学ぶ喜びの蓄積が、自己指導能力の育成につながっていくであろう。

共通実践事項

⑴ 自分との関わりを見つめ、見通しをもつ学習課題
　① 既有知識・技能、経験、自己の能力を自覚する場面や学習の順序、解決や解答、方法、可能性（自己効力）について見通しをもつ場面の設定
　② 生徒の疑問や気付き、振り返りを基にする等、解決の必然性を感じる学習課題の設定
　③ 必要な情報の可視化、繰り返し取り上げることによる学習内容の定着

⑵ 関わりを通して自分の考えを捉え直す学び合い
　① 多様な考えの比較で互いの差異を認め合い、自分の考えを吟味し、他者の考えで補強することができるような場面の設定
　② 学びの選択肢を提示し、生徒が自分に合った学びを自己選択・自己決定する機会の設定
　（「いつ」「どこで」「誰と」「何を」「どのように」学ぶのか）
　③ 個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実・往還（個別最適な学びの成果を協働的な学びに生かし、協働的な学びの成果を個別最適な学びに還元する）

⑶ 自己の変容や成長の自覚を促し、学びがつながる振り返り
　① 内面の変容や成長の自覚を後押しする具体的な学習状況を捉えた教師の価値付けや言葉掛け
　② 考えの変容や深まりを可視化する手立ての工夫、互いの学習の成果を共有したり、比較したりする場面の設定
　③ 知識の定着や技能の習熟の確実な見取り（変容や成長の自覚を促す）

研究を支える取組

⑴ 研究授業及び全体研修会の実施
　① 研究授業の実施とそれに関わる教科等横断的な視点も踏まえた指導案検討会及び授業研究会の実施
　② 相互授業参観の機会の設定
　③ 主に共通実践事項についての各教科の実践紹介
　④ 主に学習習慣についての各学年部の実践や定着状況の確認
　⑤ 小・中連携の取組を通した児童生徒の実態把握と授業改善

⑵ 基礎的・基本的な学習内容の定着
　① 計画的な基礎テストの実施による学習内容の指導と定着の確認
　② 生徒の実態に応じた少人数指導及びティーム・ティーチングの効果的な活用
　③ 朝の活動、放課後、長期休業を活用した学習相談の実施

⑶ 学習規律及び学習習慣の確立
　① 生活記録ノート「若竹」を活用した「学習の約束」の徹底
　② 委員会活動と連携した毎時間の学習評価と学習用具の管理の徹底
　③ 全校朝読書の実施
　④ 学年ごとの約束による家庭学習の習慣化を図る指導
　⑤ 毎時間の授業における共通フリップの活用

⑷ 諸調査の活用
　① 全国学力・学習状況調査結果の活用
　　自校採点、成果と課題の分析、指導方法の工夫改善
　② 県学習状況調査結果の活用
　　令和６年度の課題の重点的な指導、令和６年度の結果の分析と指導方法の改善
　③ 生徒アンケートの実施と分析、それに基づく研究の方向性の修正
　④ 各教科、分掌における取組状況の確認と評価検証、それに基づく改善策立案と実施

⑸ 人間関係づくり、学習環境の整備
　① 意図的な少人数グループの構成、座席配置等、ねらいに応じた学習形態の工夫
　② 特別活動を主体とした異年齢の集団における関わりの機会の充実
　③ 家庭や地域、年齢や立場の異なる人等、他者と協働して取り組む学習の推進
　④ 掲示物、生徒の作品等の計画的な紹介、掲示

⑹ 教師のカウンセリング能力の向上
　① 「話す」「聞く」「観る」力を発揮した定性的評価
　② 生徒の生活及び学習状況に関する日常的な情報交換
　③ 机間指導や学習シートの確認による発言や記述からの学習状況の把握
　④ 生徒がよい行動を習慣化できるようにするための教科等による統一した指導

研究・研修計画

【４月】研究計画立案
　　　　教科等部会、学年部会（随時設定）
　　　　研究推進委員会（毎週設定）
　　　　定例職員会議（毎月設定）
　　　　校内研修会（随時設定）
　　　　特別支援教育に関する研修会
【５月】教科等訪問指導案検討会①②
【６月】教科等訪問（数学、道徳）
　　　　相互参観授業（６～12月）
【７月】生徒アンケート①
　　　　諸調査の分析
　　　　市教育委員会委員訪問

【８月】中央教育事務所所長訪問
　　　　各教科、分掌の評価検証①
　　　　県市連携に関する研修会
【12月】県学習状況調査
　　　　生徒アンケート②
【１月】諸調査の分析
　　　　各教科、分掌の評価検証②
【２月】今年度の成果と課題の確認及び研究集録作成
　　　　次年度の基本方針立案

教科等横断的な取組の全体構想

教科　＜共通実践事項＞○学習課題　○学び合い　○振り返り

道徳　＜重点内容項目＞○希望と勇気、克己と強い意志（全学年）
　　　　　　　　　　　○相互理解、寛容（１年）
　　　　　　　　　　　○思いやり、感謝（２年）
　　　　　　　　　　　○よりよい学校生活、集団生活の充実（３年）

総合的な学習の時間　＜指導の取組の重点＞
　○育成したい資質・能力を明確に意識した単元計画の作成と生徒への提示
　○ルーブリック（評価基準）の生徒への提示による学びの方向性の明示
　○プラン企画書を活用した調査活動の進め方の例示

特別活動　＜指導の取組の重点＞
　○課題解決的な学習過程を重視した学級活動の実践と学級経営の充実
　○多様な他者との交流や対話を通して、協働することや社会貢献、他者の役に立つことの喜びを得られる活動の充実

その他の教育活動　＜生徒指導の取組の重点＞
　○生徒指導の機能を生かした自己指導能力の育成及び生徒の居場所づくり及び絆づくりの取組の推進
　○他者との触れ合い、関わり合い、学び合いを通して、人と関わることの楽しさ、人の役に立つことへの喜びを見いだし、他者を思いやる心情を育む取組の推進

　　　　　　　　　＜特別支援教育の取組の重点＞
　○学びのユニバーサルデザインの視点に基づいた多様な個人差への対応と継続的な支援