回を重ねること8回目を迎えたぐろおがる講座。今回は、初の第1次産業の方をお迎えしました。
お1人目のゲストは、キク農家の吉田洋平さん。男鹿市議会議員もお勤めになられていますが、今回はキク農家としての立場からお話くださいました。
お2人目は、南中生にはおなじみのハブアゴー広場の今村安里さんです。今回はお話の聞き役として、吉田さんのお話を南中生の目線からうかがってくださいました。
お話の内容は大きく3つ。
一つ目は、学生時代のことについて。小・中・高・大学とどんな生徒だったのでしょうか。
「小中は野球、高校大学はラグビーをやっていて、小中高はキャプテンをやらせていただいていました。それが今、人前で話すことに活かされていると思います。南中生は、大人に対しても自然に話ができています。僕が中学生の時はできなかったと思います。ぐろおがるを通して、貴重な経験をしていると思います。」
「大学は東京農大でした。外から男鹿を見つめたかったからですね。そして、卒業してすぐに男鹿に戻ってきたんですが、帰宅して次の日、少しゆっくりしようと思ったいたら、なんと爆弾低気圧に襲われ、ハウスが飛ばされ、キクが埋まってしまい、次の日からハウスの修復作業を行いました。農家の洗礼をいきなり受けました。」
二つ目の話題は「キク農家」というお仕事について、そして注目を浴びている「スマート農業」についておはなししてくださいました。
「キクの需要期にちゃんとキクをお客様に提供できるように赤い光をあててキクが開花できないようにし、出荷時期をコントロールしています。それをスマートフォンで管理できるようにして電照が付いているか付いていないかを把握するようにしています。このシステムがないと、夜に畑に行って電照をあてたり消したりしなければなりません。スマート農業で、いくらでも労力を掛けないようにしているんです。」
「畑の広さは2.2ヘクタールで、46万本出荷しています。これをこなせるのが電照システムや自動操作システムを備えたトラクターです。トラクターはGPSで位置を認識しますが、誤差は1~2センチくらいの優れもので、自動で運転してくれます。」
「スマート農業については県の農業試験場で研究が進んでいて、将来のイメージと、自分のなかである程度経営のビジョンが見えていたので、それに行政関係の手立てすけがあっての導入することにしました。スマート農業に取り掛かることに不安はなかったです。」
「一番最初にやると必ず失敗はつきものなんです。それが宿命です。それから調整できればよいのです。ぼくもずっと失敗しながらなんとかかんとかやりくりしています。農協さんや行政の方などいろんな人たちに本当に助けられて今このような状況にあるんです。」
三つ目の話題は、男鹿で働くこと、男鹿の魅力についてです。
「ぼくは、寒風山の麓に住んでいるんですが、子どもの頃は、トレーニングがてら走って上ったり、肥料の袋で芝生の斜面を滑ったりしました。寒風山からみた景色はすばらしいなとずっと思っていました。この環境は本当に他にはない貴重なものなんです。」
「農業を若い人が働く仕事の選択肢の一つにしてもらえるように、農業を魅力的にしたいという思いから、こういう仕事をしています。」
そして最後に南中生へのメッセージをいただきました。
「今日のぐろおがる講座が、今後の人生を選択するときのきっかけになってくれればうれしいです。このあとの人生では、今日の農業があまり興味ないと思っていても、将来の自分の仕事とつながるということはよくあります。」
「どんな仕事をするにしても、結局は対「ひと」です。そういった人とのつながりを、みなさんは今学校という形態の中で学んでいるのだと思います。特に、ぐろおがるを通して社会的に活かされるだろう学習をしている男鹿南中のみなさんは、今生きていく上で一番大切なスキルを今みなさん勉強していると思います。人とのつながりだったり、人との接し方など、今学んでいることを、今後の人生に活かしていっていただきたいと思います。」
「3年生の教室にいったときに、すごい元気よくて挨拶できていて、それが明るくできるということはすごいことだと、自信をもっていてほしいと思います。」
そして、恒例の質問コーナーです。いつもの講座よりは内容が難しかったところもあったせいか、はじめからたくさん手は上がらなかったのですが、質問が生まれた人がバトンをつなぐように、学年を超えてたくさんの質問が出てきました。
Q これまでで一番大きな失敗はなんですか?
A 去年、大雨で莫大な失敗、損害があったんだけど、それが活かされるということもあるんです。ここはこうやったらよかった、来年はこうしてやろう、ここだけはしっかりやろうといった対策をするきっかけになったし、借金や給料などについても、国の方で経営を安定させるために農業についての保険など事業をやっていたりするので、大丈夫、意外と農家はなんとかなります。生きていけます。
Q 一緒に働きたい人はどのような人ですか?
A 自分と同じビジョンを持てる人です。自分が思い描く考えと一緒の考えを持ってくれると、一緒に上に行けると思います。自分が就く仕事が好きで、前向きにやれる人が一緒に働く上では大事だと思います。
そして、生徒会長からお礼の言葉をお伝えし、事務局のメンバーから心を込めて花束を贈りました。
キク農家の仕事だけではなく、生きていくうえでの大切にするべきことをたくさん教えていただきました。
最後はいつものとおり、記念撮影です!はい、チーズ!
吉田さん、今村さん、おいそがしいところ本当にありがとうございました。また是非、男鹿南中にお越しください!お待ちしております。